近年釣りを楽しむ人が増えています。新型コロナの影響で、今年から釣りを始めたという人も多いのではないでしょうか。
釣りを楽しむ人が増える反面、一部のマナーを守らない釣り人の影響で、釣り禁止・立入禁止の場所が増え、釣りを楽しめる場所が年々少なくなってきています。
そこで初心者でも、最低限知っておくべき釣りに関するマナーを分かりやすく紹介!マナーやルールを守って釣りを楽しみましょう。
釣りをする前に気をつけておきたいマナー
漁業権や規則、ルールを確認

釣りに行く前には、まず都道府県の漁業調整規則を確認してみてください。
例えば東京都の場合、漁業調整規則第四十条「遊漁者等の漁具漁法の制限」で、撒き餌釣りが禁止されています。他にも、ウナギやアサリ、ハマグリなどは獲れる大きさが決まっていて、ウナギだと24cm以下は採取してはいけない等(第三十五条)。
もし違反したら、6月以下の懲役若しくは10万円以下の罰金(第三十五条に対する罰則)を課される場合もあるので注意してください。また、魚によって漁業権を設定されている場合もあるので注意が必要です。
次に、その釣り場を管轄している市町村が決めているルールも必読。川沿いの公園では投げ釣りやルアー釣りが禁止されているところも多くなっています。
当サイト「手軽に行ける関東釣り場-かるつり-」では、釣り場情報にローカルルールを記載しています。できる限り最新の情報を収集し更新しているので、ぜひご覧ください。
安全な装備で釣りをしよう

足場の悪い護岸や安全柵のない堤防などで転落すると、すぐには上がってこれないこともあり危険です。そんな場所に行く場合は、ライフジャケットを着用しましょう。特に、12歳未満の子供には、ライフジャケットを必ず着用させましょう。
有料の海釣り施設では、無料でライフジャケットを貸してくれる所が多いので、ぜひ活用してみてください。安全に釣りを楽しみましょう。
先行者には挨拶を!
釣り場が混雑している時、あなたがせっかく確保した釣り座に、無言で割り込んでこられたらムッとしませんか?釣り場は基本的に、先に場所を構えていた釣り人を優先するのがマナー。
まずは、釣りを始める前に両隣の釣り人への挨拶を忘れないようにしましょう。「こんにちは」「お隣いいですか?」と声がけし、双方とも快く釣りを楽しみましょう。
また、護岸をヘチ釣りで探り歩きする際は特に、魚に意識がいってしまい挨拶を忘れがちになってしまいます。釣果だけでなく、周りにも少し意識を向けてみてくださいね。
隣との間隔はどれくらい空ければいいの?

近年の釣りブームもあり、都心から近い人気の釣り場は休日になると大混雑する場合も。そんな時に両隣との間隔はどれくらい空ければいいのでしょうか?
実は釣り場のローカルルールを除いて、明確に何メートル開けると決まっている訳ではありません。強いて言うなら、釣りの種類や仕掛けの長さなどでだいたい必要になってくる間隔が違うと言うことです。
例えば、投げ釣りでは10mほどの間隔があった方がキャストする時にお互いの仕掛けがおまつり(隣の人と仕掛けが絡まること)するリスクが少なかったり、足元のサビキ釣りでは2mあればおまつりする心配はないと言えるでしょう。

ただ、混雑する釣り場では必ずしも距離を十分に取れない場合もあります。初心者だと釣りの種類をすぐ見分けるのが難しく迷ってしまいますよね?そんな時は、まず隣の人に挨拶して聞いてみるのが一番。
「こんにちは!私は今からサビキ釣りをするのですが、隣いいですか?」など声をかけてみましょう。
自分がどんな釣り方をするのかを相手に伝えるのがおすすめ!おまつりしやすいかどうか相手がある程度判断を与えてあげると、トラブルを避けられます。
でも初心者で何も分からないし声がけとか苦手!そんな人が多いかと思います。
そんな時は、海釣り施設にいきましょう。コロナ対策もあり、海釣り施設は「これぐらい間隔を空けてください」と言う目印を安全柵に掲示していたり、施設のルールとして決めているところがほとんど。
スタッフも常駐している所が多いので、どうしてもトラブルが嫌!と言う方におすすめです。
おすすめの海釣り施設
▶︎若洲海浜公園
▶︎大黒海釣り公園
▶︎オリジナルメーカー海釣り公園
▶︎本牧海づり施設
▶︎磯子海づり施設
釣り中に気を付けておきたいこと
キャストするときは周りに注意
トラブルが一番起きやすいのが、仕掛けを投げ入れる(キャストする)とき。特に混雑する釣り場や、散歩している人などもいる遊歩道や公園がある釣り場では、ハリを周りの人に掛け、怪我をさせてしまうことも!
混雑していなくても、キャストする際は必ず周りを確認してから行ってください。
おまつりに注意!原因、回避方法と対処法

おまつりって何?
おまつりとは、自分の仕掛けが隣の人と絡まることを言います。お祭りで踊っているように見えることその名が付いたのだそうです。(ちなみに、自分の仕掛けが絡まってしまった状態のことを手前マツリと呼びます。)
釣りのベテランでも時折なってしまうおまつり。急に竿が軽くなったり、重くなったりしたら、誰かとおまつりしている可能性が高いので注意です。
おまつりの原因とは?
おまつりする原因は、混雑している釣り場で投げ入れる際に絡まってしまう事が多いですが、それだけではありません。

例えば、浮き釣りをしている人の近くで、ルアーや投げ釣りを行う時や、潮の流れが早い場所で隣同士が違った仕掛けを使った釣り方をしている場合など、糸(道糸)が風や波によって緩み、絡まってしまう事があります。この道糸が緩んだ状態を「糸フケ」と呼びます。
また、隣の人の釣り竿に大物の魚がかかった場合、魚が暴れて自分の釣り竿の仕掛けに絡むことも。最悪の場合、絡まった糸が切れ、魚をバラしてしまう…なんて事も。そんなことにならないように、おまつりを事前に防ぐための対策をチェックしましょう。
おまつりを防ぐための方法・対策
糸フケを出さない
糸フケは風や潮流に乗って隣の人の方へ流れます。そうなると隣の人は仕掛けを投入できません。糸フケを出さないためには、仕掛けを投入しオモリが底へ着いたら、道糸をピンと張った状態にし、定期的に隣の人の前に糸や仕掛けが流されていないか確認しましょう。
ウキ釣りなどで仕掛けが流されたと思ったらすぐ回収
潮の流れが早い場所でのウキ釣りは、あっという間に隣の人のところへ仕掛けが流される場合も。気付いたらすぐ回収しましょう。
あまりにもすぐ流されるようならウキ釣りは不向きな場所と思った方がいいでしょう。
隣が大物をヒットしたら自分の仕掛けを回収

隣の人の竿が大きく曲がったら大物をヒットしたかもしれません。その時は自分の仕掛けを回収しておまつりを防ぎましょう。
おまつりしてしまった時の対処法
近くの人とおまつりしてしまったら、まずは「すいません、おまつりしました!」と声がけしましょう。自分が悪くないと思っても、気づいたら声がけするのがマナー。
初心者なら初めてのおまつりでテンパってしまうかもしれませんが、声がけすることで、ベテランの釣り人なら「こっちで解くよ」「糸を送り出して」などと指示してもらえることもあります。
おまつりした糸を解いてもらっている時は、引っ張ったりするのはNG。おとなしく指示を待ちましょう。
もし、無理そうだな、時間かかりそうだなと思ったら自分の仕掛け糸を切って送り返しましょう。(自分の糸を切ることで、相手の仕掛けの絡まりが解きやすくなる)
自分でおまつりを解く場合は、仕掛けからオモリなど、外せるものがあれば外してから解くのが効率が良いです。
ただ、大概の場合、おまつりした後のライン(糸)は傷んでいる事が多いので、切って作り直した方が早い場合もあります。時間がかかるなと思ったら早めに自分の糸を切ってしまうのが賢い選択かもしれません。
小魚や抱卵している魚はリリース

水産資源を守る観点から、小さいサイズの小魚や稚魚はリリースしましょう。特にカサゴやメバルなどの根魚は、釣り尽くしてしまうと来シーズンは釣り場にいなくなる事もあります!
▶︎「釣りすぎ注意」食べる分だけキープ。その他はキャッチ&リリースを
また、抱卵している魚もリリースしてあげましょう。魚の腹部が膨らんでいるか確認してみてください。
リリースする時はできるだけ遠くに
自分が釣った魚をリリースする際に、隣の釣り人が仕掛けを垂らしているすぐ横で魚をリリースすると、隣人の仕掛けに食いついていた魚がびっくりして逃げてしまう場合もあります。
もしスペースに余裕がある場合は、なるべく周りの釣り人の迷惑にならない場所でリリースしましょう。
釣りが終わった後のマナー
コマセで汚れたら綺麗に

釣り場がコマセ餌で汚れたり、仕掛けやゴミが散らばっていたら必ず綺麗にしてから帰りましょう。コマセで汚れていたら海水で洗い流すのを忘れずに!
海水を組むためのロープ付きバケツと、できれば小さなブラシも持参しておくのがベスト。
せっかくの海釣りができる公園でも、釣り客のコマセ餌などの汚れがひどい場合、釣り禁止になってしまうこともよくあります。
釣りを心から愛している釣り人は、釣り座の周りに落ちている誰かのゴミも一緒に持ち帰えることさえします。それは今後もその場所で釣りを楽しみたいから。初心者、ベテラン問わず、釣り場は綺麗に!を心がけましょう。
ゴミは持ち帰ろう

ゴミを公園や港のゴミ箱などに捨てて帰っていませんか?ほとんどの場合、それはマナー違反。公園などほとんどの施設では、ゴミは持ち帰るよう案内板などに表記してあります。
釣りで使う仕掛けは野鳥などの生物にとって危険です。またコマセで汚れたゴミは放置すると悪臭を放ちます。釣り禁止になってしまう事もあるので、必ず自分の出した全てのゴミは持ち帰って処分してください。
いかがだったでしょうか。釣りの経験があっても、知らなかったこともあったかもしれません。
トラブルなく、楽しく長く釣りを続けていくためにも、ルールやマナーを守って釣りをしましょう。